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遺贈寄付とは

遺贈寄付とは、遺言書によって自分の財産の全部または一部をNPO法人・公益財団法人・社会福祉法人などの団体に寄付することです。「遺贈(いぞう)」とは遺言による財産の贈与のことで、寄付先が公益団体であることから「遺贈寄付」と呼ばれます。

日本でも近年関心が高まっており、特に「おひとりさま」や「子どものいないご夫婦」の相続対策として、また「社会に役立てたい」という想いを実現する方法として注目されています。

💡 遺贈寄付が選ばれる主な理由:法定相続人がいない・財産を社会に役立てたい・特定の活動(子ども支援・環境・医療など)を応援したい・相続税の軽減につながる場合がある

遺贈寄付の主な方法

遺贈寄付には大きく3つの方法があります。状況・意思の強さに応じて選びましょう。

方法概要特徴
遺言による遺贈 遺言書に「〇〇団体に□□を遺贈する」と記載する 最も確実。公正証書遺言が推奨。書き換えも可能
生命保険の受取人指定 生命保険の受取人に団体を指定する 遺言書不要。保険会社によっては対応可能な団体が限られる
相続財産からの寄付 相続発生後に遺族が相続財産の一部を寄付する 故人の生前の意思がなくても遺族の判断で実施可能。相続税の申告期限(10ヶ月以内)までに行う必要がある

寄付できる主な団体の種類

遺贈寄付を受け付けている団体は多岐にわたります。受け入れ可否・最低金額・対応できる財産の種類は団体によって異なるため、必ず事前に団体に直接確認することが重要です。

⚠️ 一般のNPO法人(認定なし)への遺贈:認定NPO法人・特定公益増進法人以外への遺贈は、相続税の控除対象にならない場合があります。また遺贈寄付を受け付けていない団体も多いため、事前確認が必須です。

税制上のメリット

遺贈寄付には、一定の要件を満たす場合に相続税が軽減されるメリットがあります。

相続税の非課税

国・地方公共団体・特定の公益法人(認定NPO法人・公益財団法人・公益社団法人・社会福祉法人・学校法人など)への遺贈は、相続税の計算上、課税遺産総額から控除されます(相続税法第12条)。ただし以下の条件があります。

📌 税制優遇を受けるには:相続税の軽減を受けるためには税理士への事前相談が必須です。要件・手続き・申告のタイミングを専門家と確認してください。

遺贈寄付の進め方

1

寄付したい団体・分野を決める

「子どもの貧困を減らしたい」「動物の保護活動を応援したい」など、自分が共感できる活動を探す。

2

団体に事前相談する

遺贈寄付を受け付けているか、最低金額・対応できる財産の種類(現金・不動産・有価証券など)を確認する。多くの団体に「遺贈寄付担当窓口」がある。

3

弁護士・司法書士・税理士に相談する

遺言書の作成・相続税への影響・遺留分(法定相続人への最低保障)などを専門家に確認する。

4

遺言書を作成する(公正証書遺言を推奨)

公証役場で公正証書遺言を作成する。自筆証書遺言でも可能だが、法的要件を満たさないと無効になるリスクがあるため注意。

5

定期的に内容を見直す

団体の活動状況の変化・財産状況の変化に合わせて遺言書を見直す。遺言書は何度でも書き直せる。

注意点・よくある失敗

よくある質問

Q. 遺贈と生前贈与の違いは何ですか?

生前贈与は生きているうちに財産を渡すことで、贈与税がかかる場合があります。遺贈は遺言書による死後の贈与で、相続税の対象になります。どちらが有利かは財産額・相手・時期によって異なるため、専門家への相談をおすすめします。

Q. 法定相続人がいない場合、遺言書を書かないとどうなりますか?

法定相続人(配偶者・子・親・兄弟姉妹など)がいない場合、遺言書がないと財産は最終的に国庫に帰属します。「財産を誰かの役に立てたい」と思うなら、遺贈寄付という選択肢は非常に有効です。

Q. 遺贈寄付をしても葬儀や墓の費用は出せますか?

遺贈する財産の範囲は自分で決められます。「葬儀費用・墓の費用・生活費の残りをXX団体に遺贈する」のように条件を付けることも可能です。弁護士・司法書士に相談して遺言書を適切に作成しましょう。

遺贈寄付の意思を
エンディングノートに書き留めましょう

どの団体に、どのような想いで寄付したいかをエンディングノートに記すことで、遺族への意思伝達がスムーズになります。遺言書作成の前の第一歩として活用してください。